Top >> Blog >> ミシン
今日は縫製工場現場をレポートしたいと思います。
残念ながら-DINO DENIMの生産は終わっているので実際の生産現場ではありませんが、
-DINO DENIMを作ったユニオンスペシャルを動かしていただいたので、下記下線部をクリックしてみてください。
先日ブログでご紹介した二本針二重環縫いミシン(Union Special 35800-DR Fell Seam Machine)です。
デニム職人の花形、巻き縫いと呼ばれる工程です。
生地が重なってかなり硬くなっているのでハンマーで叩いて重なった縫い代を平らにしてミシンのラッパへ通していきます。
縫っているのは工場の社長さん。イカしたストローハットで簡単に縫っているように見えるかもしれませんが、
実はお尻部分のカーブしたところを縫っているので相当の技術をお持ちなのです。
アンティークにも部類されるミシンなので音が独特ですね。
乾いたモーターとミシン本体を繋ぐチェーンの音がビンテージ感を醸し出しています。
バイクで言うところの「ハーレー・ダビッドソンの不規則三拍子」的に聞こえるのは僕だけでしょうか・・・
こうやって日々、ビンテージデニムは縫い上げられていくのです。
再び-DINO DENIMを生産するビンテージミシンです。
Union Special 43200G Single Needle Double Chain Stitching Machine 一本針二重環縫い ジーンズ裾縫いミシン、「ダルマ」とも呼ばれるらしい。
英称は”Bull Dog”、おそらく初期黒色ボディーがそう見えんたのかもしれません。画像は工場にある後期モデルのアイボリーです。
写真ではやや見えにくいのですが、実は針がやや斜めにセットされていて(普通のミシンでは有り得ない!)、裾に独特の捻れを入れながら縫っていくという摩訶不思議なミシンです。
この独特な斜め針とチェーンステッチ、そしてデニム(ツイル全般)の捻れる特性も合わさって裾にビンテージならではな捻れアタリ(斜めのアタリ)ができるのです。
現存するのは3タイプあり、初期が黒ボディー、中期がブラウン、後期がアイボリーで見分けられます。
あくまでビンテージを追及する姿勢とここまでこだわったミシンのラインナップに脱帽です。したがって、量産では決して出せない独特なビンテージ感が再現できるのです。
今回は-DINO DENIMを生産しているミシンを紹介します。
ビンテージを謳っているのでもちろんミシンも個人的にかなりこだわっています・・・というか、ビンテージミシンを持っている工場さんで生産してもらっています。
まずは、デニム縫製に携わる人間では最も象徴とされる”二重環巻き縫い”ミシン、Union Special 35800-DR Fell Seam Machineです。
とにかく見た目もさることながら、その実力で半世紀以上経っても現場で現役で動いているミシンって本当にスゴイな、と思います。もちろん古いミシン なので壊れる事もあるのでしょうけど、手直ししながら使い続ける、歴史と伝統を頑なに守る意気込みには頭が下がりっぱなしです。
なぜこのビンテージミシンを使っているかというと、
①巻き縫いを施す部分はヒップや股下などのカーブが多くまた生地が重なって縫い辛い為、熟練の技術が必要。
②ミシンが現代のものより強力なので洗っていく度に美しい”パッカリング”ができる。
③デニム縫製で始末が一番キレイにできる(裁断端が見えない)。
④見た目が有り得ないほどの存在感・・・
などと自分で解釈しています。(間違い、追記あれば教えてくださいね☆)
そしてそんな象徴的な縫製工程にこのビンテージミシンを使ってもらえるというのはデニムの作り手にとっては感激な事でもあり、また歴史ある産地ならではでもあります。
この出会い、本当に感謝しています!!